無知の知ノート

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おばあさんの人生の選択

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選択肢があるというのは 

それに伴う条件が揃ってのことだと痛感した 

 

 

ウチから歩いて数分の 西の山のふもとに大きな1本の樹が立っていて 

その姿が好きで 時々挨拶に行く 

 

周りからポツンと やや寂しげにも見えるその姿は 

たとえ孤独であっても 凛とした生き様を示す見本のように立っている  

 

先日のこと 

その前で 近所のおばあさんがポツンと佇んでいた 

 

「お久しぶりです」

 

しばらく立ち話をした 

 

もうすぐ 長年住み慣れたこの街を出て行かれるという 

おばあさんのひとり暮らしを心配する息子さんが呼ぶので 

大阪市内へ引っ越すのだけど 

 

ほんとうは 

ひとりでも今の家に住んでいたいというおばあさんの気持ちが 

話を聞くうちに ひしひしと伝わって来た   

 

「おじいさんと散歩に来ていた時も いつもこの樹に挨拶していたの」

  

孤独を分かち合える不思議な魅力が この樹にはあるようだ 

 

「この間ね 友達が家に来て泣くの 引っ越しちゃったらもう二度と会えないねって 泣くの お互い膝も腰も悪いしね」

 

年をとるって そういうことなのか、、、と思った 

  

思い出のいっぱい詰まったこの街にも 

気の合う長年の友にも 

元気でなければ 自由に会いに来ることさえ難しくなる 

 

おばあさんの胸の内が伝わってきて 

せつなくなってしまった 

 

 

おばあさんとは それほど親しいというわけでもなかったけど 

彼女の人生の一部分を知っている 

 

 

(過去記事から)

近所のおじいさんと おばあさんのこと - 無知の知ノート

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80代にみえる そのご夫婦は  

ウチの前をよく通りかかる 

どうやら 散歩コースになっている様子 

 

「コンニチワ」と会釈する程度だったが 

ある日曜日  

 

「そんな抜き方じゃぁダメだっ!」

 

「やめてくださいよ! それは ワザと残していて」 

 

外から声が聞こえて来て ナニゴト!?と表に出ると 

 

うちの家の外回り10mほどの雑草を 

ザクザクと抜きまくる おじいさんの姿  

 

おじいさんが抜いているのは  

 

うちの旦那さまが 丁寧に間引きして残しておいた 

小さなカワイイ黄色い花を付けた雑草たち  

 

「やめてくださいよ それは ワザと残していて」

 

何度言っても 聞く耳をもたない 

おじいさんは善意のつもりで 雑草抜きをしてくださったのだ 

 

アキラメルしかなかった 

けど 

無残に引っこ抜かれた黄色い花たちを掃除しながら 

私も旦那さまも そのおじいさんが 嫌いになった 

 

その後も 

通りかかるたびに からかうようなことを言ってくる 

 

庭の樹に登って枝切をしていた時も 

「樹に登ってオテンバかっ 男かと思った」とか 

「ケガする前に 早く降りなさい!」とか  

 

そんな時 いつもおじいさんの後ろから 

「ごめんなさいね」 と 

おばあさんが申し訳なさそうに微笑むのだった

 

おばあさんの優しい笑顔があったから 

いつも笑顔を返すしかなかった 

 

まるで イジワルじいさんと優しいおばあさん 

日本昔話に出てきそうな 

 

おじいさんの天真爛漫な言動は 

優しいおばあさんへの甘えのようにもみえる 

 

いいご夫婦なんだろうな 

いつもおふたりで散歩して 

まぁ 微笑ましくもある  

 

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そんなおふたりの姿が プッツリと見えなくなって 

気になって仕方がなかった  

いつもウチの前を通る散歩コースが変わってしまったのか? 

 

 

2か月ほど過ぎて 

「コンニチワ」と声がして振り向くと 

あの優しい笑顔のおばあさんだった 

おじいさんの姿は無い 

 

「お久しぶりです♪ きょうは ご主人は?」

 

「亡くなりました」

 

「えっ! お元気だったのに、、、」

 

・・・こんな時 

常識では「ご愁傷様です」とか言えなきゃダメなんだよね 

 

 

「いつも相手してくださって ありがとうございました」 と言われた 

 

聞けば 

散歩途中にからかったりすることは 

おじいさんにとって 楽しいコトだったらしい 

 

もっとからかわれたら よかった 

変な言い方だけど 

もっと 楽しく からかわれるように 

出来れば よかった   

ーーーーーーーーーーー 

 

あれから2年   

おじいさんを亡くされてから 姿を見かけることも少なくなっていた

 

おばあさんの家の門扉に上がる数段の階段横には金属製の手すりが付けられて 

足を悪くされたのだろうか と気にはなっていた 

 

おばあさんは ひとりでも最後まで 

出来ればこの家に住んでいたいと話されていた   

 

この街を出て息子さんたちと暮らすことは 

迷った結果の選択に違いない  

  

彼女のために何か出来ないだろうかと考えて  思いついた 

 

おばあさんとおじいさんの思い出の散歩コースとか 

いつもおふたりで買い物されていたスーパーの風景とか 

長年住まわれた家の写真とか 

 

思い出の場所をアルバムにしてプレゼントするってのはどうかしらん?

お節介かなぁ?

 

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ところで この樹 何の樹?
  

 

ご訪問ありがとうございました 

感謝☆ 

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